廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (廃掃法)
廃棄物処理法の改正状況とその主な内容をお知らせしています。
内容についてはあくまでもご参考としていただき、正確な条文などは環境省のホームページなどをご参照ください。
- 平成29年度改正内容施行日平成30年4月1日~(一部)令和2年4月1日~

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- 【1】許可を取り消された者等に対する措置が強化(平成30年4月施行)
- 市町村長・都道府県知事等は、廃棄物処理業の許可を取り消された者等が廃棄物の処理を終了していない場合に、これらの者に対して必要な措置を講ずることを命ずること等ができることとする。
→ 平成28年に発生した食品廃棄物不正転売事案を受けて改正となったものです。
- 【2】一定の事業者に対する電子マニフェストの使用の義務付け(令和2年4月施行)
- 特定の産業廃棄物を多量に排出する事業者に、紙マニフェストの交付に代えて電子マニフェストの使用を義務付けることとする。
→具体的には前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く。)の発生量が50トン以上の事業場が対象となります。
- 【3】マニフェストの虚偽記載等に関する罰則の強化(平成30年4月施行)
- マニフェストの虚偽記載等に関する罰則について、厳罰化されました。
(旧)6カ月以下の懲役又は50万円以下の罰金
(新)1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
- 【4】有害使用済機器の適正な保管等の義務付け(平成30年4月施行)
- 雑品スクラップ等の有害な特性を有する使用済みの機器(有害使用済機器)について、これらの物品の保管又は処分を業として行う者に対する、都道府県知事への届出、処理基準の順守などの義務付け、処理基準違反があった場合等における命令等の措置の追加
→使用済み家電などの無許可回収業者による、ぞんざいな保管状況を理由とした環境の汚染事案等を受け新設されました。
- 【5】親子会社間の産業廃棄物の処理に係る特例(平成30年4月施行)
- 親子会社が一体的な経営を行う者である等の要件に適合する旨の都道府県知事の認定を受けた場合には、当該親子会社は、廃棄物処理業の許可を受けないで、相互に親子会社間で産業廃棄物の処理を行うことができることする。
平成22年度改正内容施行日平成23年4月1日
平成22年度の改正(平成23年4月1日施行)は、「排出事業者責任」を重点に、かなり大幅な変更が加えられております。
その内容は、大きく分けて下の6項目と、政令の改正となります。
- 廃棄物を排出する事業者等による適正な処理を確保するための対策の強化
- 廃棄物処理施設の維持管理対策の強化
- 産業廃棄物処理業の優良化の推進等
- 排出抑制の徹底
- 適正な循環的利用の確保
- 焼却時の熱利用の促進
- 【1】廃棄物を排出する事業者等による適正な処理を確保するための対策の強化
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- 排出事業者が産業廃棄物を事業所の外で保管する際の事前届出制度を創設。
→ 保管用の土地の面積が 300 ㎡以上の場合。 あらかじめ都道府県知事に届出
- 建設工事に伴い生ずる廃棄物について、元請業者に処理責任を一元化。
→ 一部例外を除いて、下請け業者による廃棄物運搬の際は業の許可、委託契約が必要です。
- マニフェストを交付した者は、当該マニフェストの写しを保存しなければならないこととする。
排出事業者のマニフェストA票の保存義務(5年間)
- 処理業者はマニフェストの交付を受けずに産業廃棄物の引き渡しを受けてはならないこととする。
→ 電子マニフェストの運用をする場合は対象外です。
- 処理業者は、処理を適正に行うことが困難となる事由が生じたときは、その旨を委託者に通知しなければならないこととする。
→ 処理業者は10日以内に委託者に通知、委託者は運搬、処分の終了報告を受けていないものがあれば、必要な処置を講じ30日 以内に都道府県知事に報告。
- 事業者の産業廃棄物の処理状況確認努力義務を規定。
→ 排出事業者による処分業者への現地視察など。適正処理の確認。
- 不適正に処理された廃棄物を発見したときの土地所有者等の通報努力義務を規定。
- 措置命令の対象に、基準に適合しない収集、運搬及び保管を追加。
→ 排出事業者による処分業者への現地視察など。適正処理の確認。
- 従業員等が不法投棄等を行った場合に、当該従業員等の事業主である法人に課される量刑を1億円以下の罰金から3億円以下の罰金に引き上げ。
→ その他報告・通知・保存義務違反などについて新たに罰則の設定。
- 【2】廃棄物を排出する事業者等による適正な処理を確保するための対策の強化
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- 廃棄物処理施設の設置者に対し、都道府県知事による当該施設の定期検査を義務付け。
→ 許可時に告示・縦覧を要する施設(最終処分場、焼却施設等)に限ります。
- 廃棄物処理施設の維持管理情報のインターネット等による公開。
→ 許可時に告示・縦覧を要する施設(最終処分場、焼却施設等)に限ります。
- 設置許可が取り消され管理者が不在となった最終処分場の適正な維持管理を確保するため、設置許可が取り消された者又はその承継人にその維持管理を義務付ける。
- に基づいて維持管理を行う者又は維持管理の代執行を行った都道府県知事又は市町村は、維持管理積立金を取り戻すことができることとする。
- 維持管理積立金を積み立てていないときは、都道府県知事は施設の設置許可を取り消すことができることとする。
- 【3】産業廃棄物処理業の優良化の推進等
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- 優良な産業廃棄物処理業者を育成するため、事業の実施に関する能力及び実績が一定の要件を満たす産業廃棄物処理業者について許可の有効期間の特例を創設。
※改正前は、産業廃棄物処理業の許可の有効期間は一律に5年。
- 廃棄物処理業の許可に係る欠格要件を見直し、廃棄物処理法上特に悪質な場合を除いて、許可の取消しが役員を兼務する他の業者の許可の取消しにつながらないように措置。
- 【4】排出抑制の徹底
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- 多量の産業廃棄物を排出する事業者に対する産業廃棄物の減量等計画の作成・提出義務について担保措置を創設
→ 多量排出事業者:前年度の産業廃棄物の発生量が1,000t(特別管理産業廃棄物は50t)以上の事業場を設置している事業者
※改正前は、作成・提出を義務付ける規定はありましたが、これを担保する規定がありませんでした。
- 【5】適正な循環的利用の確保
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- 廃棄物を輸入することができる者として、国内において処理することにつき相当な理由があると認められる国外廃棄物の処分を産業廃棄物処分業者等に委託して行う者を追加。
※改正前は、輸入した廃棄物を自ら処分する者に限定して廃棄物の輸入を認めていました。
- 環境大臣の認定制度の監督規定の整備
・変更手続を政令から法律に引き上げ、変更手続違反を認定取消要件に追加。
・大臣の報告聴取・立入検査権限を創設。
- 【6】焼却時の熱利用の促進
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- 熱回収の機能を有する廃棄物処理施設を設置して廃棄物の焼却時に熱回収を行う者が一定の基準に適合するときは、都道府県知事の認定を受けることのできる制度を創設。
- 【7】その他の政省令改正内容
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- 産業廃棄物収集運搬業の許可の合理化
積替え又は保管を伴わない場合で、一つの政令市の区域を越えて収集又は運搬を行う場合は、当該政令市の区域を管轄する都道府県知事が許可を行う。
→ 今まで政令市別に取得する必要があった収集運搬許可ですが、その政令市が属する都道府県の許可のみで業を行えるようになりました。(積替え保管、許可品目が異なる場合除く)
- 帳簿の備え付けを要する事業者の追加
帳簿対象事業者に、
- 産業廃棄物処理施設又は産業廃棄物処理施設以外の焼却施設を設置している者
- 事業活動に伴い産業廃棄物を生ずる事業場の外において自ら当該産業廃棄物の処分又は再生を行う事業者を追加。
- 廃石綿等の埋立処分基準の強化
廃石綿等の埋立処分を行う場合には、大気中に飛散しないように、あらかじめ固形化、薬剤による安定化その他これらに準ずる措置を講じた後、耐水性の材料で二重に梱包することとする。
※改正前は、「耐水性の材料で二重に梱包すること」とされていました。
平成21年度改正内容
平成21年度の改正は、主にPCB(ポリ塩化ビフェニル)廃棄物の処理についての内容です。
- 無害化処理にかかる特例の対象となる産業廃棄物に、従来の石綿含有廃棄物に加え、微量PCB汚染廃電気機器等が追加されるるとともに、環境大臣が無害化処理に係る認定を行う際の無害化の内容の基準等が定められました。
- PCB廃棄物の焼却施設の維持管理の技術上の基準として、排ガス及び放流水中のPCB量の測定に関する規定並びにこれらの規定に対応する記録の閲覧や記録する事項が追加されました。
平成19年度改正内容
平成19年度の改正は、産業廃棄物としての木くずの適用範囲についてです。
事業系一般廃棄物である木くずのうち、「物品賃貸業に係る木くず」(リース物品家具等)、「貨物の流通のために使用したパレット」(業種限定無し)が産業廃棄物として追加されました。
各都道府県・政令市別産業廃棄物処理業者名簿
行政別の産業廃棄物業者名簿へリンクしています。
注意事項として、行政のホームページはリアルタイムで更新されているわけではないので、今現在の許可内容等と必ずしも一致しない場合があります。実際の内容は許可証などで御確認下さい。
- 北海道・東北

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- 関東

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- 甲信越・北陸

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- 東海

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- 近畿

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- 中国

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- 四国

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- 九州・沖縄

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各種制度の説明
- 優良産廃処理業者認定制度

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優良産廃処理業者評価制度(リンク先参照) とは、 都道府県 ・ 政令市が優良な処理業者を審査し認定する制度です。
2021(令和3)年03月31日時点で全国1,362社、11,978件が認定されています。
認定される為の基準は法令で定められており、求められるものも多いですが、取得することにより様々なメリットがあります。
また、許可を取得している行政毎に申請する必要がありますが、基準が法令で定められているので、1箇所で取得できれば他の都道府県でも取得可能です。
- 認定を受けたことによるメリット
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- 許可の有効期間が5年から7年に延びる。
- 許可証に優良マークがつき、排出事業者様へのアピールができる。
- 認定業者として周知される。(各行政のホームページなどで)
- 更新時の書類について一部省略できる。
- 処理施設取得時の融資で金利が優遇される。
- 取得する為の基準
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- 廃棄物を排出する事業者等による適正な処理を確保するための対策の強化
5年以上処理の実績があり、その期間不利益処分(営業停止命令など)がないこと
- 事業の透明性
半年以上一定の情報(財務諸表、処理実績等)をインターネットで公表していること
※自社ホームページ、(財)産業廃棄物処理事業振興財団が運営する産廃情報ネットを利用する。紙媒体などでの公表は認められていません。
- 環境配慮の取り組み
エコアクション21、ISO14001などの認証を取得しており、環境に配慮して事業を行っていること
- 電子マニフェスト
JWNETが運営する電子マニフェスト制度に加入していること
- 財務体質の健全性
直近3年度のうち、いずれかの事業年度における自己資本比率が10%以上であること、法人税などの滞納がないこと
- エコアクション21・ISO14001

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- 環境マネジメントシステム
- 環境マネジメントシステム(EMS)とは、企業が打ち出す経営方針の中に、自社から発生する環境負荷を低減するための目標を取り入れ、その目標の達成に向けた計画を立て、実施し、点検・見直すという企業活動のことをいいます。
※一般にPDCA(P=plan,D=do,C=check,A=action)サイクルという言葉が使われます。
会社のEMSを担保する代表的なものに、国際標準化機構の「ISOシリーズ」、エコアクション21が挙げられ、優良産廃処理業者認定制度における基準項目の一つとなっています。
- エコアクション 21
- エコアクション 21とは、環境省が定めたガイドラインに則った第三者認定制度としてエコアクション21中央事務局が認証・登録を行っている制度です。
- ISO14001
- ISO14001とは、国際標準化機構が発行した環境マネジメントシステムに関する国際規格で、外部機関である審査登録機関が、第三者として審査を行い、認証・登録されます。
- 電子マニフェスト制度

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電子マニフェスト制度( リンク先参照)とは、 (財) 日本産業廃棄物処理振興センターが運営している制度です。
従来紙ベースで運用されていたマニフェストをインターネット上で管理・運営できるため、リアルタイムで処理状況が確認できたり、保管の必要が無かったりといったメリットがあります。
また、大手ゼネコンなどの排出事業者様によっては、電子マニフェストに加入していることを処理委託の条件の一つにしている会社様もあるようです。
- 具体的なメリット
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- 保管の必要が無い
紙マニフェストでは、5年間の保管義務がありますが、電子マニフェストで運用したものは、情報処理センターがデータを保存しているため(5年間)、保管の必要がありません。
そのため、保管場所の確保の必要が無く、情報を参照したいときもデータを検索するだけですので効率的です。
- マニフェスト交付状況報告書の提出免除
紙マニフェストでは、年度ごと、各都道府県・政令市ごとにマニフェストの交付状況報告書の提出が義務付けられていますが、電子マニフェストで運用したものに関しては、情報処理センターが取りまとめて各都道府県・政令市に提出するため、作成、報告の必要がありません。
- 事務処理にかかる時間削減
保管、管理、郵送手続きなどの部分での作業時間が削減できます。
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